ヨハン・セバスティアン・バッハの不朽の名作である無伴奏バイオリンパルティータ2番ニ短調(BWV1004)の「シャコンヌ」を、その芸術家は的確に彼の楽器用に変換した。布谷氏は繊細で知的に音の色彩を混ぜ合わせ、バッハのマスターピースを洗練された状態で演奏し、そして大いにその曲を輝かせた。
(ピアニスト、ベンヤミン・ヌス氏との)デュオではピアソラの作曲したタンガータ組曲「風神と水の精」をエキサイティングに、リズムの高い緊張を築きながら完璧に演奏した…このマレットと指が織りなす高い芸術性、音色に対する抜群のセンスを兼ね備えたこのデュオに勝るものはない。

Birgit Jürgens, Hildesheimer Allgemeine Zeitung (HAZ)

マリンバの後ろに立ち、異なる種類のマレットを自由自在に操る名手である布谷氏を見ることは、体を使った、一種の踊りに近いものを見るような体験であった。「素晴らしい、とにかく凄い」と会場にいた200人以上の聴衆は皆私と同じように感じていた。

Reiner Becker Westdeutsche Allgemeine Zeitung (WAZ)

彼の白熱した演奏、彼のハーモニーに満ちたサウンド・タペストリーを生み出す才覚を垣間見たかと思えば、直後にそれらを劇的に破壊する、異なる音程を、様々なダイナミクスとともに同時に打つ彼の優れた妙技...これらのすべての要素が300人の聴衆の止まない喝采を生み出した。

Braunschweiger Zeitung

黒い衣装をまとった布谷史人は、人を磁石のようにひきつけ、離さなかった。彼のマレットの使い方の巧妙さは、人々を魅了し、巨大なピアノのように横たわった楽器は、彼の手にかかれば容易く演奏されているかのよう。
布谷氏の洗練された細かな音への気配りは、感銘を与えた――彼の最も弱い音は、囁きのレヴェルまで落とされてあった。彼は本質的にはモノクロの音がするマリンバと、オーケストラとの対話にも抜け目の無い心遣いがあった――彼の繊細なオーケストラとのバランスが、時には忘れられないほどの輝きのある音だったりもした。
マリンバがピアノやヴァイオリンのように有名な楽器であったら、彼の名はトップクラスの音楽家として世界中に知れ渡るであろう。

ヒューストン新聞

布谷史人の演奏は機敏で活気がある、彼はものすごい才能を秘めている。

ボストン・ヘラルド新聞

マリンバ奏者布谷史人は、既にその名が世界中に浸透しているべき、素晴らしい演奏家である。彼の持つ音楽性の深さに匹敵する奏者は、私はこれまで聴いたことが無い。

Nancy Zeltsman
世界的マリンバ奏者
ボストン音楽院打楽器科総責任者

“不朽のCDである。”

F. Michael Combs
Percussive Arts Society percussive Notes 2007年10月号

昨秋送られてきた布谷史人のCD ”Red Dragonfly” に収められた”Marimba Spiritual”を、あまりの多忙のため数ヶ月空けることも出来なかったが、やっと時間を見つけて飛び飛びにでも聞こうとした。ところが途中から聞き流すことが出来なくて、もう一度頭に返り、集中して一気に最後まで通して聞いた。一切余分な想念に逸れず、引き込まれたまま感嘆の声を挙げた。この曲は世界で殆ど1万回も演奏されており、CDも無数に出されていてたまに聞くが、布谷たちの演奏はその白眉、少なくとも指折り数える中の一つであることは間違いない。常に真正面から作品に取り組み、一切のハッタリがなく、アンサンブル全体から、溢れるような生気が漲って聞こえ、マリンバそのものの演奏もまことに立派で大満足した。度々演奏して、さまざまな聴衆にも感動と満足を与え続けてもらいたい。

三木稔
作曲家

私は布谷氏を、アンサンブルの指導、個人レッスン、そしてソロリサイタルのために2日間、南フロリダ大学に招待した。布谷氏の助言は、とても洞察力があり役に立つもので、なおかつ想像力に富んだものであった。彼はとても友好的で、時間を惜しまない。また、彼のリサイタルは、芸術的美しさ・知性・そして音楽性のすべてにおいて最も高いセンスのものであった。私と私の生徒は、布谷氏の再来を心より楽しみにしている。

Robert McCormick
南フロリダ大学音楽科教授